リウマチ性疾患の罹患者は、治療薬の進歩により寛解の状態や症状が抑えられた状態(低疾患活動性)が目指せるようになった。しかし、患者の病気に対する理解不足や治療方針へが受け入れられないといったことが多く、十分な治療効果が得られないこともある。基本は、患者の自己管理能力の向上はもちろんのこと、自己効力感を高めることが大切だ。これにプラスして、リウマチ性疾患の治療について患者自身が「治療の必要性を理解すること」「患者が主体となり治療における意思決定の過程に参加すること」も大切になるだろう。
患者自身も、インターネット上で得られる情報や薬品会社などが提供する冊子などにより病気を理解し、治療に積極的に参加することが増えている。しかし、薬の副作用や症状の憎悪に対する不安、日常生活に支障が出ることに対する不安や困り事などは絶えないだろう。リウマチ疾患と一括りにしてもその症状や痛みの度合いは人それぞれであり、自分がモデルケースに当てはまらなければ、情報を求めてさまよう傾向は今も昔も同様だ。
看護師の役割として、疾患管理に参画することが大前提だ。そのほか患者自身や家族、支援者とも連携しながら患者のニーズに合った支援を行うことが必要となる。もちろん、患者と医師の間で橋渡しを行う立場ともなりうるだろう。患者自身では決められない「治療方針に対する意思決定」について患者がどのような生活をしたいかなどを聞き取り、答えを導ける存在となるのが最大の役割である。そのためには看護師自身もリウマチ性疾患に対する理解を深める必要があるだろう。